離脱防止金具の一体化長さの計算方法や考え方は、「水道施設設計指針」によります。
(このことは、パイプライン指針のP.409に記載されています。)
このため、安定計算やブロックの計算と異なり、地下水の影響を考慮しておりません。
これ以外にも、離脱防止金具の計算では、必要一体化の長さの算出根拠となるスラスト力の扱い方が異なり、結果として鉛直折れ角度の大小によらずに必要一体化長さが同じになる事等、安定計算やブロックの計算と比べて、設計思想が大きく異なるようです。
この違いは、パイプライン指針と水道施設設計指針の違いと言えます。
なお、以前のパイプライン指針(平成10年)では、安定計算やブロックの計算時に、地下水位の考慮という項目はありませんでした。
新しい指針(平成21年)では、ご承知の通り、地下水位の影響を考慮するように指針の内容が変更されていますが、離脱防止金具は以前の計算仕様のまま、つまり、水道施設設計指針のまま、地下水位の状態を考慮していません。
もし、離脱防止金具の計算で水中単位体積重量を用いて計算したいという場合は、安定計算用に入力した諸条件をコピーして離脱防止金具の計算専用のデータをつくり、「土の単位体積重量」を「土の水中単位体積重量」に置き換えることで計算可能です。
ただし、この場合、安定計算やブロックの計算の場合と異なり、「地表面から地下水面までの深さ」は無視されます。
※水道施設設計指針における一体化長さの算出方程式では、土の単位体積重量は一定であることが前提となっています。
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